参加するには

「物理チャレンジ」参加資格(参考)
「物理チャレンジ」に参加するには、次の条件@とAの両方を満たしていなければなりません。
  1. 開催年4月1日現在、満20歳未満であること。
  2. 第2チャレンジ開催時に高等教育機関(大学・短期大学または高等専門学校第4・5学年)に在籍していないこと。
  • 年齢の下限は設けていません。中学生以下の参加も大歓迎です。ただし、第2チャレンジは、ややハードなスケジュールのため、小学生以下の参加についてはあらかじめご相談ください。
  • 国籍は問いません。ただし、出題及び解答は日本語に限定します。
国際物理オリンピック日本代表候補者の選考
「物理チャレンジ」の成績優秀者の中から、翌年夏に開催される国際物理オリンピック日本代表の候補者若干名を選考します。ただし、候補者となるには国際物理オリンピックの規定により、開催年6月30日現在満20歳未満で、かつ高等教育機関(大学・短期大学または高等専門学校4年生以上)に在学していないことが条件となります。したがって、物理チャレンジ開催時に高等学校3年生の人は、翌年には大学等に進学していると思われるので、国際物理オリンピック日本代表候補者になることはできません。
「物理チャレンジ」への参加をお考えの皆さんへ
「物理チャレンジ」への参加を考えている皆さんの中には、物理が好きで、また、おもしろくて自ら学んでいるという人も多くいらっしゃるか も知れません。物理を好きになり、学校で習っている理科(物理)をよりよく理解するということは大変よいことです。ただし、物理をさらに好きになり、物理を楽しむ ために「教科書を隅から隅まで勉強しなければならない」と考えることはありません。物理の本質を理解し、自然現象を自らの頭で考えて実験なども 行って、その仕組みを解き明かしていけばよいのです。
物理チャレンジでみなさんが挑戦する理論問題は、特別な予備知識が無くても解けるようにしてあります。また、第1チャレンジ理論問題コンテストに限り、各自1冊まで参考となる資料(教科書、参考書、問題集、ノート)をコンテスト会場に持ち込むことができます。
第2チャレンジでは、内容的には大学レベルあるいはそれ以上のものも含まれています。ただし、「高校物理」の範囲を超える問題には解説やヒントをつけます。【問題と解答】を参考にしながら、単なる解法だけでなく、その内容の理解を深めておいていただくことも大切です。
物理の本質を理解するには、どのような学習をすればよいのか、少し具体的に考えてみます。
段階を追ってきちんと物理を理解する第1歩は、学校で習ったり、教科書を読んだりすることから始まります。その際、重要な性質については実験で確認することができればさらに良いでしょう。そのうえで、物理に対する理解を深めるには、よい演習問題を自ら解いてみることがとても大切です。ただし、典型的な問題を、決まりきった方法で解くことばかりを行うということでは必ずしもありません。物理の本質に根ざした問題を、基本原理から考えてみることが何より重要です。
参考図書としてあげた書籍などを通じて、物理学に対する関心と興味をさらに広げるとともに、物理の実験にも取りくんでみることで、物理に対する理解を深めていくと、「物理チャレンジ」への挑戦は、皆さんにおもしろさと楽しさ、そして手ごたえをもたらしてくれると確信しています。
少々先のことになるかもしれませんが、大学での物理学の授業は、力学、電磁気学、波動論、熱力学、統計力学、量子力学などに分かれ、具体的な物理量の計算をするための数学的技法を勉強しながら、物理学の理解を深めていくことになります。その際注意しなければならないことがあります。それは、数学にとらわれ、物理的内容を見失いがちだということです。物理学にとって数学は道具としては大変重要であり、そのスキルを磨くことは必要欠くべからざることですが、物理学の本質は、あくまでその物理的内容にあります。新たな分野の物理学を学んだとき、数学的計算を身に付けただけで、物理を十分に理解していなければ、それは何の役にも立ちません。将来、未知の分野に挑戦するとき、その現象の本質を見通す物理的洞察力がなければ、何の研究成果もあげることができないでしょう。そのような物理的本質の理解は、現象の本質を単純なモデルで表現することによって得られることが多く、そのとき、高校レベルの初等物理学が役立つでしょう。ものごとの本質は、初等物理学に深い直感的な洞察を付加することによって解き明かされることが多々あります。その意味で、「物理チャレンジ」を通して培われる「物理的探求法」がいつか役に立つことを願っています。